『貧乏入門』
- 作者: 小池龍之介
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2009/12/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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かなり前に読んだ本。引越しの準備をしていたら出て来たので、メモ。
どの持ち物も長く大切に使い込むことを前提に、デザインと素材が良質なものを購入するようにしている。少々値段が高くても気にせず買う。
物をなくしてみること。
収入に十分余裕があっても、あえてお金を使わず、お金から自由になるという方向で暮らしてみること。
持っているということは常に心が覚えています。そして、それがノイズになっている。
気持ち良くなるのは、手に入れた瞬間だけ。あとは、慣れてしまって快楽は消えて行きます。
欲望にとらわれるのは、欲が実現する時に「苦」が減った分だけ快楽が得られるから。お金に関する苦痛で飽き足らないと、人間関係や健康などに関してあえて自己破壊につながるようなことをしてしまう。
仏道では欲を満たさないでおきなさい、などとは言っていない。
著者も自分が承認されていることをテストし続けない限り、自分を保てなくっていた。
風俗産業がこれほどまでに大きな市場を築けるのは、それだけ現実から逃避したいと願い、そのことにお金を使う人々が存在するからでしょう。
プライドを別の言葉で言えば「承認欲求」です。
私達は多かれ少なかれ、無力感を感じています。自分なんていなくても何も変わらないのではという無力感。結果として相手に承認してくれるかを試してみたくなる。
心の暴走を止めることが、幸福感の必要条件となる。
幸福のためには「信」、すなわち自分が今やっていることを「確信」することが必要。むやみに迷う時間をとらないことです。
集中のなかに幸福感がある。
より刺激の少ないものを選び、それに集中する。刺激の強いものはエスカレートして行き、疲れさせる。エスカレートのなかで集中力は衰えて行きます。
本を買うとき、むやみに「感動」という刺激を押し売りにしたものより、自分の心を見つめる本や自分の仕事を深められるような本を買う。
掃除機を買うより、ホウキを買って手を動かし実感を持って掃除する方が集中という点では有用。
現代人は寂しさの苦痛を持っていて、携帯電話やSNSで「人と繋がっている自分には価値がある」という自我の刺激を買っている。
お金がなくても生きていけるんだという遊び方とか料理の仕方とか移動の仕方などを普段からすることをお勧めしたい。
欲望に蓋をして、それで人格が歪んでいく。必要なものを満たして行くお金の使い方が大事。欲望による消費をやめ、必要に応じて、良質なものを買い、その産業に投資するようなスタンスへ移行していくこと。そのことを通じて欲望から自由になることです。
幸福になるお金の使い方は、「人のためにお金を使う」こと。